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2012-01-06
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気軽に参加できるのが魅力! 人生のヒントが見つかる「ロールモデルカフェ」 【連載:阿部志穂のワークライフバランス最前線 vol.2】

キャリアジャーナリスト・阿部志穂

キャリアジャーナリスト・阿部志穂のワークライフバランス最前線

キャリアジャーナリスト・阿部志穂のワークライフバランス最前線
働く女性がワークとライフの両方を充実させていくためには何が必要? そんな根源的なテーマに、キャリアジャーナリスト・阿部志穂が切り込みます! 社会や企業がプロデュースする制度や環境、そして働く女性自身の意識。世の中はどんどん変わっています。ワークライフバランスの“今”を知り、人生を楽しみながら長く働き続けていくためのヒントを探っていきましょう。

阿部 志穂(あべ しほ)

フリーランスライター。JCDA認定キャリア・ディベロップメント・アドバイザー(CDA)。女性誌、ビジネス誌を中心に、ライフキャリア、ワークライフバランス、就・転職、資格、生涯学習にまつわる記事を15年にわたって執筆。「豊かな生き方」「人生の転機」をテーマに著名人インタビューも多数手がける。最近気になっているキーワードは「ソーシャル」。自身のワークライフバランス達成度は「80点ぐらいなもんかしら?」

 

vol.2

Woman type 読者のみなさん、あけましておめでとうございます!
キャリア・ジャーナリストの阿部志穂です。

連載がスタートしたとたんに2011年が暮れてしまいましたが(笑)、いよいよ本年からはエンジン全開で書きまくりたいと思っています。どうぞよろしくお願いします(^-^)。

さて、新年1本目のテーマは、シングル女子の永遠のテーマ=「私、結婚できるの?」についてです。

仕事柄、一般女性のインタビューをすることも多いワタクシですが、Woman type世代のシングル女子と話をしていると、十中八九出てくるのが、「結婚はしたいし、子どももほしいけど、自分が仕事と家庭を両立できるのか本当に不安!」という言葉。

これは、結婚・出産の物理的不安=「結婚相手が見つからなかったらどうしよう?」を、すでに凌駕しているように感じられるほどです。実際、「わかるわぁ、私もホントにそう思う!」という人、いっぱいいるでしょう?

また、こういう人もきっと多いと思います。「働き続けることは覚悟しているけれど、自分が40代、50代になったとき、どんな風に働いているのかイメージができない……」。

「結婚しても、出産しても、仕事はずっと続けるもの」と考えることは、世の中的にも普通になってきています。
「この数年、出産を理由に退社した女性はゼロです」と胸を張る企業も最近では少なくないし、独自の数値目標を持って、女性管理職を増やす(つまり、女性が長く働き続けられる環境作りの)取り組みをしている会社も出てきています。
それなのに、両立すること、働き続けることへの不安を抱える女性が、いつまでたっても減少する気配がないのはなぜなのでしょう?

その最大の理由は、「だって、お手本にできるような先輩が身近にいないんだもん」ということではないでしょうか。

基本的に人間は、見たことのあるものしかマネできない、イメージできないイキモノ。
ニュースなどの報道で、いくら「ワーキングマザーが増えている」「女性管理職が増えている」といわれても、身近にいなければピンと来ないし、「こうすれば、私も大丈夫!」という確信もなかなか得られませんよね。

もし、同じ部署にワーキングマザーがたくさんいたり、年次の高い女性の先輩が当たり前のように昇進していたら、将来の働き方に不安を感じる女性は激減すると思うのです。
生き方、働き方のお手本となるロールモデルや、不安を分かち合える仲間がまだまだ少ないという現実。それが、働く女子の未来をこんなにも不安にさせているのだと思います。

 

社内にいないなら、社外で探せばいい

とはいえ、統計上は確実に増えている、そして今後も増え続けることは確実なワーキングマザーや女性管理職。
今は、それぞれの部署で孤独を感じているマイノリティだとしても、会社や組織の枠を越えれば、結構な数が存在するはず。
———そんなところに着目した動きが、働く女性のリーダー的立場の人たちの間で広がっています。

たとえば、近頃ときどき耳にする「ロールモデルカフェ」。

これは、対象となる女性たちよりちょっと年上で(30代後半~40代ぐらい)、結婚、出産後も働き続けている、まさにロールモデルにぴったりのステキな女性を招いて、その半生や今現在の働き方、両立の秘訣などをうかがうイベント。
主催者によってスタイルは若干異なりますが、質疑応答タイムやイベント後の懇親会などで直接ゲストと話をすることが、今後の生き方のヒントになったり、モチベーションアップにつながることが多いようです。

fujii_yuka
藤井悠夏さん
株式会社アイループ代表取締役。リクルート『ゼクシィ』の営業担当を経てアイループ設立。ソーシャルメディアを活用した女性支援、PR・マーケティング支援事業を行う。現在はベトナムにて、ブライダル事業進出支援に注力。シリア生まれ、練馬育ち。

昨年から、不定期でロールモデルカフェを企画している株式会社アイループ代表の藤井悠夏さんは、Woman type 世代ながら「友人たちと話をしていると、『このままこの会社にいていいの?』『子ども産んだら、私はどうなるの?』といった悩みをよく聞く。みんなそれなりの大学を出てモチベーションも高いはずなのに、“くすぶっている感”がすごいんです。それで、何か支援できることはないかなと思って」と、開催の経緯を話します。

アイループのロールモデルカフェに登場するのは、自然体でワークライフバランスを実現しているものの、女性誌で見かけるバリキャリ女性ほどハイパーなわけでもない。親しみを感じられる等身大の先輩女性たちです。

藤井さんが培ってきたネットワークの中から、毎回、職種も人生のヒストリーも異なる女性を招くことで、仕事を続けるためのバリエーションはひとつではないことを知ってもらい、視野を広げてもらう狙いもあるのだそう。

「講演会やセミナーに出かけて気持ちを前向きにする方法もあると思いますが、1度きりの経験では、3日もすると元のモチベーションに戻ってしまう。それでは、もったいないですよね。たびたび参加して、いろいろなケースを知ることは、『こんな方法もある、こんな生き方もありなんだ』という気づきにつながり、選択肢を広げます。その積み重ねが『私にもできるかもしれない』という安心感につながるのではないでしょうか」(藤井さん)

 

選択肢が多ければ、人生のピンチにも強くなれる

前回、登場していただいたファイナンシャル・プランナーの氏家祥美さんも、同じような取り組みを始めています。

もともと、マネープランの提案を通して女性の人生を応援したいと考えている氏家さんは、女性の起業サポートを目的に、行政書士や中小企業診断士など5名の女性プロフェッショナルと「キャリア35」というグループを結成。
この活動の一環として人気を集めているのが、起業したりフリーランサーとして活躍している女性をゲストに招き、開業までの経緯や普段の仕事ぶりなどをうかがう「しごとがしりたい(しごしり)」というイベントです。

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氏家祥美さん
ファイナンシャル・プランナー。専業主婦、会社役員を経て、2010年に女性のためのお金と仕事の相談室「ハートマネー」を設立。家計管理とキャリア&マネープランを得意とし、女性に向けての個人相談のほか、講演、セミナーなどを積極的に行っている。

「10名程度でこじんまりとやっているイベントなので(笑)、ゲストと気軽にコミュニケーションが取れる。気になっていることを直接質問したりできるので、参加者のみなさんの満足度も非常に高いですね」と氏家さん。
グループの特色柄、組織で働く女性がゲストに招かれるケースは少ないものの、会社員の女性にこそぜひ参加してほしいと話します。

「女性は男性に比べると、どうしても人生の転機が多い。結婚したり子どもを持ったりした際に同じ組織で働くことが難しくなったとしても、選択肢がストックできていれば解決に向けて行動することができますよね。会社員だから、同じ会社で働くロールモデルだけを探せばいいわけではありません。会社員以外の働き方を知ることで、会社員の良さを再認識できることもあるでしょう。たくさんのロールモデルを知っているということは、人生のリスクヘッジにもなるのではないでしょうか」(氏家さん)

これまでは、カラーセラピストや心理カウンセラーなど、憧れている女性が多そうな職種で活躍しているゲストも登場。今後はコーチや税理士などのゲストも予定され、「いつかは好きなことを仕事にしたい!」と考えている人にも、ためになる話が聞ける貴重な機会になっています。

 

「ヨコにつながる力」は女性ならではの大きな強み

一方、同じような立場にいたり、悩みを持っている女性同士が集まって、オープンに気持ちをさらけ出し合う場も登場しています。

会社からはロールモデルとなることを期待されているものの、周囲の理解、協力が得られず行き詰まっている。
そんなワーキングマザーのためのコミュニティ作りをしているのが、育休後コンサルタントとして活躍している山口理栄さんです。

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山口理栄さん
育休後コンサルタント。総合電機メーカー在籍中に、社内ロールモデルによるパネルディスカッションやメルマガ発行などを通してダイバーシティ・マネジメントに尽力。2010年に独立し、企業と個人の両面から育休後社員が活躍できる組織作りに取り組んでいる。

自らも2児の母である山口さんは、会社員時代、悩みを打ち明けられる人がいないため、苦しんでいるワーキングマザーの姿をいくつも見てきました。
「気軽に話す相手がいるだけで、気持ちはずっと軽くなるのに……」。そんな思いを抱いて、独立後からスタートさせたのが、この「育休後カフェ」。
育児休暇を取得後、職場復帰を果たした女性を主な対象としたイベントですが、ときには、シングルの働き女子や女子大生、最近では育休パパや夫婦で参加する人もみられるそう。

「仕事やキャリアに対して不安を感じていることは?」「パートナーに改善してほしいと思っていることは?」といったお題があらかじめ用意され、参加者同士でグループディスカッションをする。
内容はこれだけのシンプルなもので、山口さん自身からセミナー的なレクチャーがあったり、ゲストを招いたりするわけではありません。けれど、カフェは毎回盛況で、いつも時間切れになってしまうほど。

「会社ではマイノリティなのに、ここに来てみたら同じ立場の人がこんなにいる。それだけで、みなさんすごく安心するのだと思います。それに、普段はネガティブに悩んでいることでも、他人(ひと)に打ち明けるとなると格好をつけて話すでしょう?(笑) そうすることで、ちょっとだけポジティブになれる。自分の口から出てきた前向きな言葉に、自分自身が癒されることも多いようなんです」(山口さん)

さらに、山口さんが注目しているのが、女性ならではの「ヨコにつながる力」。

イベント内で意気投合すると、その後も連絡を取り合い、悩みを打ち明け合ったり食事会を開いたり。さらには、勤め先の人事なども巻き込んで会社間で事例交換をし合ったり、独自にロールモデルカフェのようなイベントを企画する人も出てきているのだとか。

「モチベーションを与えられると、女性はすごく頑張れる。『独りじゃない』とわかることが、気持ちを前向きにしてくれるんですね。このような動きが少しずつでも増えてくれば、周囲の人たちの意識も変わってくる。結婚していようと子どもがいようと、頑張っている人がきちんと評価される世の中になっていくのではないかと思っています」(山口さん)

 

ロールモデルを持つこと、同じ悩みを抱える仲間の存在を知ることは、こんな風に、働く女性にとってプラスになることばかり。

実は、ロールモデルの立場にいる女性にとっても、「自分の人生経験が後輩たちのプラスになる」と実感できることは、すごくうれしいことのようなんです。これも、女性ならではの「win win」のつながりといえるかもしれませんね。

もし、社内にお手本となる女性がいないなら、社外で探してみればいい。組織の枠を飛び出せば、あなたの人生のガイド役となってくれる先輩は、驚くほどたくさんいるんです。

最近では、自治体主催のロールモデルカフェや、組織の枠を越えた働く女性のための朝活など、規模もバリエーションも多彩に。
イベントの告知は、主催者(団体)のホームページのほか、ツイッターやフェイスブックでされることが多いので、「SNSを始めてみようかな」と考えている人は、これをきっかけにするのもいい方法かもしれませんね。

 

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